コラム

◆老眼(老視)はどんどん進んでゆくものか

老眼鏡は、原則的には調整力が3D〜3.5Dよりも低下した人が、この差を凸レンズ(プラスレンズ)のメガネによって補うことを目的としていますので、65歳で調整力が0になったとしても、遠方視を矯正する度数に+3D〜+3.5Dのレンズを付加すれば近くが良く見えます。
もっと目に近いところでものを見るのでない限り、これよりも強い度数を付加する必要はないので、これが老眼鏡の限界となって、進行に限度がない近視とは違います。
目から20cm程度のところで物をみる場合は+5Dのレンズ付加が必要になりますが、実際には、目でもカメラと同じように焦点深度(ある像が焦点を結ぶ位置の前後で、像が鮮明である(ピンボケにならない)範囲のこと。カメラの場合には、一般的に被写界深度と呼ばれている。)があり、ある程度は補われます。

また、早くから老眼今日を使い始めても、我慢して使わないでいても老眼の進む程度に変わりはありません。

+3D+〜3.5Dのレンズを付加してあった老眼鏡を使っても読書などに困難を感じるようになる場合もあります。
老眼鏡の度を決める基礎になっていた遠方視での度数が変化して、例えば遠視が強くなったりしたためか、あるいは視力を障害する白内障や糖尿病性網膜症などの目の病気によって、近くを見るときだけでなく、遠くを見る視力も低下したためと思われます。